typhoon

台風の後を追って

１９９０，１０，１

　職場の旅行で、三重県石鏡沖へ、マダイを狙いに行ったことがある。ちょうど大型で強い台風２０号が、そのあたりへ向かって西進していた。まあ、それるだろうという我々の考えは、全く甘かった。電車で、石鏡へ向かう途中、あちらこちらで浸水し、中には駅が水びたしになっているところさえあった。車内放送で、通常の路線が浸水したため、別のコースをとる・・・というアナウンスが入った。某私鉄は、たいしたもんだ。こんな中でもちゃんと動いている。何度も停車し、なんとか終点に着いた。電車を降り、駅を出ようとしたが、もの凄い風雨で、とても出られそうにない。仕方がないので、旅館に電話、迎えに来てくれることになった。しかし、結局、マイクロに乗るまでに、びしょぬれになってしまった。　その夜、みんなでおいしい海の幸を、食べながら、まあ明日は、できないだろうと、決め込んで遅くまで飲みあかした。

　翌日、若干二日酔ぽかった。が、なんと出船するというのだ。え？だいじょうかな？当然心配だった。乗り合い船だが、４人の貸し切りのようだ。港内は、波もなく快適だったが、出たとたん、いやあ、参った。釣り場に着くまでに、かなりしぶきを受け、ぬれてしまった。船が停止してからが、さらにいけない。波のため前方が、見えるときと見えないときがある。つまり、波のてんぺんになるときと、波の底になるときがあり、その差がすごいのだ。

　当然船酔いが続出。自分も酔ってしまった。嘔吐しながらも、私めは、釣りまくった。なんともなかったのは、O氏、たいしたもんだ。後の２人は、ダウン。Ｔ氏は、すごい、船酔いで横になりながらも、竿を持ち続け、なんとその竿に、カンパチがかかっていたのだ。私めは、嘔吐しながら、マダイとハナダイを２ケタあげた。たいした執念だと、自分でも感心するくらいだった。・・・予定時刻前に、帰航の途につく。

　釣りの途中にも、恐ろしいことがあった。波の上にきたとき、タンカーが出現した。ぶつかると思い船長を呼ぶと、だいじょうだ。向こうが避けてくれるさ・・・。

　すごい釣行だった。

釣り雑記帳に戻る