タコとの格闘

１９９６，５，１９

のっこみ黒鯛をねらって、ホームグランドである筒石・千束島へ行ったときのことです。

ウキ釣りで黒鯛をねらって、もう何時間たったのか、時計の針が０時を過ぎたときのこと、電気ウキの赤い光が暗い海中に、じわり・じわり沈みました。よくある根がかりに似た現象です。しょうがないなと、竿をあげると根がかりとはちょっと違う、ずしっとした感触が伝わってきました。何やら動きます。どうも何かが、かかったようです。結構な重さのそれは、海面で潮を噴き出しています。・・・タコのようです。黒鯛の繊細な竿にきたので、それからが大変です。しかもタモが遠くです。

強引に抜き上げようと、また大失策を考えてしまいました。磯際まで寄せたところ、磯にあの強烈な吸盤で吸い付いてしまい、どんどん下へ入っていきます。

もうぼんやりともわからない所まで、行ってしまいました。それでも鈎はしっかりかかっているようで、竿は弧を描いています。仕方がないので、ラインを緩め、竿を置き、玉網をとって、再びラインを手に取り、玉網でタコのへばりついている所をこすって、はがすことにしました。

何度アタックしてもうまくいきません。・・・もうあきらめてラインを引っ張って切ろうと考えたときです。タコがはがれて網に入った感じがわかりました。

全長７０ｃｍのマダコです。おいしい外道です。しかし、黒鯛ねらいにきたことといい、偶然はがれてくれたことといい、わからないものです。ホッ！

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